エリザベスドール?(30)

ぐうりんぼ  2008-12-31投稿
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 外の喧騒をよそに、ローズマリーとエリザベスの会話は続いていた。

「ネエ、ローズマリー」

「なあに?」

「アノオドリヲ、ヤッテ」

「ハァ、こんな所で?」

「ヒサシブリニ、オドリヲ、ミタイノ」

 ローズマリー、両手を上げるジェスチャーしながら言った。

「勘弁してよ。今はそんな気分じゃないのよ」

「ゼヒ、ミターイ」

「エリザベスったらァ」

 呆れ顔のローズマリーである。

 すると、エリザベスは意外な事を口にした。

「オドッタホウガ、レイリョクガツイテ、イインジャナイノ?」

 妹の言葉に、ローズマリーはピーンと来るものを感じた。

 ローズマリーの表情が明るくなる。

 ニヤリと微笑むローズマリー。

「イイ事に気づいたわねエリザベス」

 そう言って、ローズマリーはその場で踊り始めた。

 バレリーナのように…

 ゆっくり両手を広げ…

 足を高く上げ…

 華麗に舞う。

 ローズマリーハ…

 キタノマカイデハ…

 ユウメイナ、ブトウニンギョウジャナイ。


 そう。


 私は魔界では1番の踊る人形なのよ。

 踊る事で…

 私の霊力が増しパワーが付いて来るわ。

 私は強くなれる。

 強くなれるのよ。


 このようにして、2体の人形は互いにテレパシーで会話するのだった。

「あんな所で踊りとはな。舞踏会で踊る為の、稽古でもやってるのか?」

 モニターに釘付けのモグレ警部は、ローズマリーの行動が理解出来なかった。

「上手いですネェ。
 プロのダンサーになれますよ彼女は」

 呑気にレイロ刑事がローズマリーを褒める。

「冗談言ってる場合じゃないぞ君ィ?
 コイツは何を企んでいるのか分からんからな」

「すみません」

 そこへマーティ巡査がやって来た。

「警部! 軍の関係者らが見えられました!」

「ウム!」

 振り返るモグレ警部とレイロ刑事。

 そこには…

 マーティ巡査に案内されて来た3人の兵士の姿があった。

 マーティ巡査は3人にモグレ警部を紹介した。

「こちらが、現場を指揮する18分署の警部モグレ・ロワッソです」

「はるばるご苦労様です。モグレです」

 1人に握手を求めるモグレ警部。

「陸軍北部方面・第1首都治安部隊を指揮する隊長のグリッドマンです」
 握手を交わす2人。

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