やがて沈黙を破るかのように坂木さん、どうぞこちらへと看護士がやって来て診察室の扉を開け家族全員を中に通した。
「どうぞかけて下さい」 看護士に言われるままに椅子に腰を下ろした。
純の座る椅子の前には、デスクがあり、そのデスクの椅子に座っているのが黒髪を後ろで束ねた女医だった。
「私は吉田といいます」 はっきりと吉田先生は言った。
それから、これまでの純の言動などを聞いていくつか検査のようなことをした。
そして純にベッドに俯せになるように言った。
純は一瞬、何をするのかと訳がわからなかった。
すると看護士が純を言い聞かせるように、ズボンとパンツを下ろし、お尻に注射を打ったのだった。