その日から、休みの度に一緒にいた。
でも私たちのことは、誰にも知られちゃいけなかった。
だから花火も一緒に行けなかったね。
買い物も行けなかったね。
それでもたくさん出掛けたね。
いつものようにちょっと遠出して夜景を見に行った。
『…そろそろ帰ろうか』
いつもその言葉を聞くのが嫌だった。
帰りの車で
『…今日帰らなきゃマズイ?』
あなたが言った言葉に驚いた。いつも私の欲しい言葉、見透かされてるみたいだった。
『え…?大丈夫だけど…』
『…じゃあ明日まで一緒にいよう?』
『…うん』
嬉しかった。
でも、不安だった。
その日あなたは私を抱いてくれた。
私の髪を、頬を撫でる手には、私の知らない《誰か》とあなたがいつか誓った証が、ついたままだった。
あなたはその手で私の知らない《誰か》を抱いて、今は私を抱くんだね…
あなたが眠ってしまっても眠れなかった。
起きたらあなたが居なくなってしまいそうだったから…