「パパ………何してるの？」私が四歳の時のことだ。トイレに行きたくなり寝室をでた私は玄関の明かりがつけっぱなしなのにきずいた。
玄関には重そうな荷物をもった父がたっていた。
「馨？いいかい？パパはもう馨のパパじゃないんだ。」
父は私の方を向いて私にしか聞こえない小さい声で呟いた。
「きょーおしっこ行くから後で〜」私はトイレを我慢できなかったのでトイレにむかった。
そしてトイレにでたあと。玄関の明かりは消えていた。
朝、母に昨日のことをはなすと母は
「パパはもう家に帰って来ないの。」母は目に涙をためていた。
「パパ、なんで帰ってこないの？」私は母が言っている意味がわかなかった。わかりたくなかった。
「嫌いになったの、私達が」母は滝のように涙を流していた。
私は母が泣いていたせいなのか、父が帰って来ないことなのかわからないが泣いていた。
あれから八年、私は中学生で転校し、埼玉県の「聖園中学校」に通うことになった。
南牙瀬「今日転校生来るんだって？」悠輔「なに？南牙瀬、興味あんの？」
南牙瀬「いや、違うけどさ………この学校じゃうまく生きていけないよな」南牙瀬がいちごﾐﾙｸのパックをたたみながら言った。
悠輔「そうだね。」
南牙瀬「あ〜朝練つらっもう顧問も諦めればいいのに、こんなに荒れてるのにさ………」
二人はまだ誰もいない教室に入っていった。
朝練が終わり、二人は部室を出た。
「おはよ！」南牙瀬「おはよ。」クラスメートが元気よく話し掛けてきた。
「今日転校生くんだよね？女かな？」
南牙瀬「別にどっちでもいいよ、どうせすぐいなくなるし」
「たしかにね……」クラスメートは少しがっかりしていた。
私は肩までつく髪を二つに結び、制服に着替え家を出た。
家から学校への距離は20分、近くには駅もあり賑やかな町並み。
だけど私の気分はどん底だった。
皆は小学校からの友達がいるけど私はいない。
それにもう5月。
中学生からの友達をつくったこもいるに決まっているし、部活もやってるんだろうな。
まぁ友達はつくるのは苦手ではない。
もっと不安なことがある。
いじめられるかも知れない…………。
そして私の予感は的中した。
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