『パパァ〜、ママァ〜!!こっちこっちぃ〜〜!!』
『こらっっ!!
恋(レン)、陸(リク)!!
危ないからそんなに走るんじゃない!!
また転ぶぞ!!』
『そうよ!!2人ともパパの言う事ちゃんと聞くのよ〜!!』
わたしには5歳になる双子の子供達がいる。
男の子と女の子。
『ねぇママ。このツリーだよね?!
ママとパパの思い出のツリー。』
女の子の恋(レン)が、わたしに聞く。
『そうよ。恋(レン)ちゃん。ママとパパね、恋(レン)ちゃんと陸(リク)君が生まれて来るずっと前に、このツリーにメッセージを書いたのよ。』
『おい恋(レン)。早くパパとママのメッセージ探そうぜ!!』
男の子の陸(リク)が、お兄ちゃん風をふかせて妹の恋(レン)に言う。
2人とも、
可愛いわたしの子供達。
そして、
わたしの隣には、
愛する大切なあなたがいる。
『めぐみ。僕の顔に何か付いてる?!』
『ううん。颯太も、いいお父さんになったなぁと思って。』
『ははは。なんだそりゃ。僕って、めぐみにとって、そんなに頼りなくうつってたんだ?!』
『そうじゃないわよ。わたし、可愛い子供達に恵まれたし、颯太とまたこうして、このメッセージツリーを見に来れた事が、すごく嬉しくて‥‥‥。
まるで夢を見ているみたい‥‥‥。』
『夢じゃないよ‥‥。めぐみ。これからもずっと愛してる‥‥‥。』
『うん‥‥。颯太。わたしもずっと愛してる‥‥。』
ずっと、ずっと。
永遠に――
『めぐみ見て。
10年前に僕達が書いたメッセージだ。』
『あはっ。本当だ。なんか恥ずかしいね。』
《颯太へ。10年後も君と一緒にここへ来たいな。》
《カヤノへ。10年後の今も、幸せでありますように。》
『ねぇ知ってる?!颯太?!
サンタさんてね、本当は、おじいさんじゃなくて、若くてすごくカッコイイ男のコなんだって。』
『ふ〜ん。そうなの?!まためぐみの妄想癖が始まったか?!でも‥そうだったら面白いね?!』
ありがとう――
サンタだった君へ――
☆END☆