…運命なら、いつかまた逢える。
今度逢えたら聞こう。
どうしていなくなってしまったのか。
どんなに悲しい答えが待っていても、きちんと本当の事を聞こう。
空いっぱいに散りばめられた無数の星を見上げながら私はそう決めた。
初めて会ったのは夏。
きっかけは最近なら珍しくもない「出会い系」だった。
渋谷の交差点で、ビニール傘をさして歩いて来る彼に会った。
少し話しながら小さなホテルに入った。
彼は慣れていない感じでも慣れている感じでもなかったけど、私の胸を見て綺麗だと言ってくれた。
男の人は浮気するでしょ、と言ったら、すごい勢いで否定してきた。
何でそこまで私に熱く否定的するのかわからなかった。
ホテルを出ると彼はタクシーを停めて私を乗せ、運転手に「よろしく」というような事を言っていた。
…これが始まり。
私に対する彼の優しさはこの時から始まっていたのに。
今ならわかるのに。