エリザベスドール?(34)

ぐうりんぼ  2009-01-03投稿
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「人形相手に戦争だなんて、聞いた事もないね」

「トイプードル首相直々の要請ですからね」

「政府が動き出したなんて、初めてじゃないか」

「前回の人形騒動には、国の政府も関心持っていましたからネェ。
 きっと、ローズマリーと言う人形がエリザベスより凶暴だと言う事で、危機感を募らせたのでしょう」

「ローズマリーについて、警部たちはどこまで把握しているかね?」

「だから、エリザベス以上に凶暴だと言う事だけです」

「それだけか」

「それだけって。
 何か、新しい情報でもあるのですかな?」

「その為に、こうして来たのだよ」

「え?」

「ジョージ!」

 待ってましたとばかり、ジョージがクルマから降りて来た。

 ルークも一緒である。

「初めまして! ココにいる、ルーク・ハリーと同じクラスのジョージ・ハンクスです!」

 モグレ警部に握手するジョージ。

 少し興奮気味である。

「情報なら、彼が詳しい」と、アースル。

 ――――――――

 部隊が動き出した。

 軍用車両で待機していた兵士たちが一斉に降りて来たのだ。

 慌ただしく4号研究棟へ急ぐ兵士たちにアースルたちは視線を送った。

 ジョージは兵士1人1人が携帯している装備品を見てキッパリと言う。

「あの人たちでも、人形には勝てません」

「彼等は首都を守る最強の精鋭部隊だよ君ィ。
 戦闘のプロがだね、人形に負けないハズないだろう」

 モグレ警部の意見に、ジョージは反論する。

「それは倒す相手が、生身の人間かロボットだったらの話しでしょう」

「何ィ?」

「軍が相手にしているのは、人形の姿をした得体の知れない化け物ですよ」

「それが何だって言うんだね? エリザベスの時は、警察の力で退治出来たんだよ」

「ローズマリーの場合は、強さが違う」

「大して、変わらんよ」

「…」

 呆れ顔のジョージ。

 人間の想像を超えた怪物だって事を認識しているのだろうか?

 エリザベスを倒せたのだからと言う驕りが頭にあるから…

 異次元の怪物を甘く見ているのかもしれない。

 そこでジョージは自ら抱く、或る疑問をモグレ警部にぶつけてみた。

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