施設内ではグリッドマン隊長の指揮の下、隊員たちが動いていた。
それぞれ、指示された場所へ移動し、銃を手に待機する。
興奮したローズマリーが、建物内を暴れ回る可能性を想定したグリッドマン隊長の判断である。
グリッドマン隊長たちは既に、第2資料保管室の前に到着した。
内部の様子は…
部屋に設置されている隠しカメラの映像を、ケータイのワンセグで受信すれば確認出来る。
足音を立てないよう、画像を観ながら出入り口付近で待つ。
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モグレ警部とジョージの言葉のやり取りは続いていた。
「君の考え過ぎだよ!
冗談休み休みに言いたまえ!」
ジョージの大胆な質問にモグレ警部は笑う。
人形は、迫撃砲の弾を受けてバラバラになっても、生きているのでは?
超常現象の研究に熱心なジョージらしい質問である。
ジョージにしてみれば真面目な質問だが…
「お前、そんな事は絶対ないって」
流石のルークも真に受け難い気持ちである。
果たして…
この時、モグレ警部にマーティ巡査から連絡が入った。
ローズマリーへの、武力行使が始まると言う。
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第2資料保管室付近で構えるグリッドマン隊長たち。
ケータイの画像を観ながら、突入のチャンスを伺う。
部屋の中では…
近くに置いてある大きな長机に腰掛けていたローズマリーが又、踊りを始めた。
(よし!)
突入開始!
銃を構えたグリッドマン隊長はドアを思いっ切り蹴り開けると…
部下の隊員たちと共に、中へと突入した!
イザ、銃の引き金を引こうとする。
…が!
中は誰もいない!
点いていたハズの電気は消えたままで中は真っ暗の状態。
ローズマリーはどこに隠れているのだろうか?
電気を点けて改めて中を見回すと…
いたいた!
ローズマリーは何事もなかったかのように、ガラスケース内に収まっていた。
ジーッと人形の顔を覗き込んでみるけど、何の反応もなし。
グリッドマン隊長の口からフッと、笑みがこぼれた。
ただの人形として決め込むつもりでいるのか?
誤魔化しは利かないぞ、分かってるんだ。
ケースの扉をソッと開けるグリッドマン隊長。
優しい口調でローズマリーに話しかけ始めた。