静かに泣いた
静かに月が輝く夜
あなたが隣にいた
何も聞かずにそっと私の頭に手を置いた
何で泣いているのかも私には分からない
ただ切ない夜もある
寂しくてたまらなくて堪えきれない夜も
何も聞かない
手の温もりだけが私の体中を埋め尽くしてまた泣いた
次は声を上げて泣いた
今日だけはそばにいて
お願いだから私を独りにしないで
あなたが吐く息と共に笑う
身を寄せて目を閉じれば暖かい
抱きしめられて耳を澄ませばあなたの鼓動が聞こえる
それだけで何もかも忘れてしまえる様な気がした
呆れて笑わないで
この今の感覚を忘れない様に深呼吸をした
あなたがいる現実を噛み締める様に背中に手を回した
消さないで
確かに感じる安堵を
消えないで
この夢が
目を開ければあなたがいなくなる様な気がして恐かった
孤独を感じる夜に
あなたが私の孤独を消した
朝が来ればまた繰り返す
孤独が消えた私に朝日が射せば
あなたがいなくなり
私は次々に襲い掛かる孤独に苦しめられる
二人抱き合った夜の
美しい月
いつまでも照らして
夜明けはいらない
私達を永遠の愛へと導いて
叶わぬ願いを心に秘め
あなたの大きな背中にしがみついた
泣いたのは
あなたが私のものではないと
分かっていたから