義理の兄による、私に対する暴行により、私は暑に被害届けを出した。
まだ夜明け前にだ。
この県に37ある警察署のうち、1、2を争う忙しさだ。
私は一人の警察官に長椅子で話しをしていた。
その日は得に忙しいように私の目には写った。
朝方に110番通報が何件か入った。
まず近くの学校での小火騒ぎ。次に別の学校では、校舎の硝子が割られたとの通報。三人の警察官と鑑識が出向いた。
私は暑内で暖をとっていた。
その時、突然入り口から、一人の大男が鼻から大量の血を流しながら入ってきた。
「俺、いま誰かぶん殴るか、何かぶち壊すかしそうだから、ここで世話になる」大男は興奮冷めやらずといった感じだ。
私は長椅子に座り、一人の警察官と話しの続きをしていたが、その大男に警察官が何があったんだとなだめた。
大男は、その時私と視線が合った。
「お前でいいよ。殴らせろ」大男は息巻いた。
私は平静を装った。
「この人は関係ないから」警察官が、またなだめた。
私は長椅子から立ち上がった。