目をそらさず
ボールを見つめる
少しずつ雑音が遠くなってゆく
俺は誰だ
俺は・・・
市岡Jチーム最高の
ルーキーだ?
カキーン
バットがボールを跳ね返す心地のよい響き。
俺はバットを捨て、
一塁へと全力で走る
誰もきずかないような
野原にふく風のように
二塁を踏む。
まだいける。
走れ、走れ?
三塁へ滑り込む。
審判の顔をみる
セーフ?
グランドいっぱいに広がった歓声。
ベンチの仲間が抱き合う。
俺はすごい
俺はまだできる。
俺は
市岡Jチーム最高の
ルーキーなのだから