「殺し屋?」
「うん」
「っつーと、あのゾルディック家みたいな」
「……うん、まぁ…まぁな、家業じゃねーけど」
「お前が?」
「俺が」
「嘘だッ!!」
「なんでお前はそうオタクなんだ…」
「うるせぇな。で、マジ話なのか?」
「当たり前だろ、じゃなきゃどう説明つくんだよこの状況」
「死体処理やってんだよな?すげーなぁ怖ぇ〜〜」
「俺はお前のリアクションが薄すぎて怖ぇよ」
「俺殺し屋って憧れてたんだよな〜カッコイイ」
「かっこよくねーよ、大変なんだぜ〜ここに運ぶまで」
「殺してから運ぶの?」
「そりゃあ…じゃねーと外から見たら『あいつそういえばいっぱい人連れ込んでるけど出て行く奴見た事ない 怪しい』みたいになんじゃん」
「そうねぇ、じゃあでかい荷物いつも持ち込んでんの?大変だなそりゃ」
「まぁ分解してからだからコンパクトにはなってるけどね」
「どこで分解すんだよ?血出るだろ?」
「そりゃ深い森の中とか?」
「あー」
「言うなよ〜〜?」
「言わねーよ、せっかく身近に殺し屋がいるのに あ、アレは?骨」
「骨?骨は砕いてラーメン屋にあげたり普通に生ゴミに捨てたり」
「抜目ねーな(笑)食ったことある?」
「ねーよ!けど旨いみたいだぜ」
「マジ?俺人によっては食いたいかも」
「買え」
「ひでぇ〜!」
眼下にはまだ骨のついたままの肉塊。
その前でまだ成人もしていない二人の少年が楽しげに話を盛り上げている。
ここは、町で有名なおいしい肉屋。
その地下。
肉屋の店番にはあったかい風貌のふくよかおじさん、バイト風のお兄さん達。みんな殺し屋と兼任。
地下にはおじさんとお兄さん達公認の肉精製所がある。
そこでお兄さん達が肉を集めて洗う。
冷蔵庫の中には新しい死体が二つ。ばらばらの死体。
毎日これを牛肉や豚肉の挽き肉と混ぜて売る。
またはハンバーグにする。
今日珍しく、新しいバイトが見つかった。
これで仕事が楽になる。
おじさんは目を細めて笑った。