クラスメイトが声を掛けながら段ボール二つを手に取ってくれた。
おお、格段に動きやすくなった。
「ねぇ、何でこんなに教室ガラガラになってるの？さっきまでは普通に居たのに」
怜が聞いた。
「お、ああそれはな」
教卓に荷物を置きながら彼は答えた。
「何か変な美人がここに来てるらしいんだよ。猫連れの」
「美人？」
「へぇ〜…」
興味ないな。
さて、この荷物は何処に置こうか…。
「それでこんなに閑散としてるわけ…。野次馬過ぎでしょ…皆」
半ば呆れた表情で怜は呟いた。
「まあ、そう言うなよ。こんな辺境の場所じゃそうそう変わった事何て起きないんだからさ」
「まあ、そうだけどね」
うーん、これ以上教卓に置けないしな。
やっぱ地面？
いや、それじゃあな…。
「で、その変な美人さんはどんな人なの？」
「確か髪は白っぽい灰色で肌も髪と同じように若干白っぽくて」
「ふんふん」
やっぱ重ねて置くのが一番正しいかな。
でも、それじゃ幾分…。
「目の色は翠掛かった茶色で」
手がビクッと固まった。
何故ならば一瞬ある人物の顔が浮かんだからだ。
「…」
それは怜も同じようでかなり渋い顔付きになっている。
「…なぁ怜」
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