「行けっ!奴等を倒せっ!!」
と、舞が言うと一斉に蝶は啓吾達の方に向かって飛んでいった。
「舞様!お止めください!!」
舞の周りに居た警備員が舞の方に走り寄って来る。舞が放った蝶はピタッと止まった。
「うるさい!」
舞は警備員の方に手を突き出す。すると蝶達は先の尖った様な物に変形して警備員の足元に刺さった。
「なっ・・・」
「こんな奴らがいるからこの世は平和ではないのだ!」
「舞っ、落ち着いてよっ!」
怜が言う。
「私は・・・私はっ・・・」
舞は下を向く。
「舞・・・」
「だから、御前らにこれは渡さない!」
と、言って舞はまた蝶を放った。
「舞様、やめてください!」
凛がそぅ言って蝶達の方に手を突き出した。すると凛の手から大きな水の塊が出て蝶達を包んだ。蝶達の動きは止まり、水の固まりは中に浮いていた。
「やめてください、舞様・・・」
凛は手をグッと握って言う。
「誰より平和を願っている貴女がなぜこんなことをしているんですか・・・?」
「・・・!」
「もぅ、やめてください・・・」
凛の目から涙がこみ上げてきた。
「確かにそぅだ・・・」
「えっ・・・」
「こんなことをしてるくらいなら・・・」
と、言って舞は懐から闇夢玉を取り出した。
「おい!やめろよっ!」
啓吾が大声で言う。
「私の命でこの世が平和になるのなら…」
舞は闇夢玉を両手で持って言う。
「この世が・・・」
シャランッ・・・―――\r
「この世が晶様の物になりますように…」
「えっ・・・?」
すると、闇夢玉は光りだした。その光が城の周りを包み込んだ・・・。