「それしかないわね…」
ふぅ…、と息を吐き遼と怜も肯定した。
「よし、じゃ、決定だ」
と言った後俺は彼女を見た。
「と言うわけで」
「…?」
「これからまた暫くの間俺達は授業に行かなきゃならない。だからその間これから案内する場所に居てもらいたいんだ。で…」
そう言ってポンッと頭に手を乗せた。
「…!」
「頼むから借りてきた猫って思えるほど大人しくしててくれよっ!絶対に問題を起こすなよ!分かったかっ?」
本気と書いてマジのお願い。
もし問題起こされたら滅茶苦茶怒られるのは俺だからな。
「っ…」
何やら慌てて彼女はこくこくと頷き俺の手を振り払った。
何だ、何を慌ててんだ?
少し気にはなったが、それを問いただすより前に昼休み終了のベルが鳴った。
聞くタイミングを失った。
うーん…まあいいか…。
「じゃそう言うわけだから頼むぜ」
「…はい」
彼女はそう言ってぎこちなく頷いた。
…何かしましたか、俺?
――まあ、いいけど…。
さて、さっさと連れてって教室に戻るか。
そう思考して俺はくるりと後ろを向いた。
「…どうしたよ、お前ら」後ろを向くと何故か三人それぞれが不可思議な反応をしていた。