RPG−25

たる  2009-01-06投稿
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部屋に通され、簡単な挨拶を済ませた。促されるままに話したが、我ながらおかしなことを言ってると思う。

しかし話を聞いて、可愛い男の子もといディーシャは真面目な顔で分かったと言った。

初めカナは、ディーシャがもう異世界トリップの謎を解いてしまったのかとびっくりしたが、話は分かった、という意味だったらしい。

「つまり」

ディーシャが言った。

「お姉さんは別世界から自分も気づかないうちにやって来て、病弱な体なはずが、なぜかこっちのお姉さんと一緒にいると健康体になる」

でしょ、というようにディーシャがカナを上目遣いで見て首をかしげた。もちろん真面目な話の最中だが、その様子も愛らしい。

「興味深いね。お姉さんのその記憶が確かならすごくすごく気になるね」
「確かって・・・」
「記憶を操作されてる可能性も捨て切れないし、魔王が一枚噛んでるっていうのもなくはないから」

ディーシャが白い紙に何やら書き始めた。数式かと思えばお絵かきにも見える、不思議なものだった。

さらさら滑らかに書いたり、時にはがりがりと力任せに線を引いた。

ディーシャはふと動きを止めて横にある鏡を見た。カナとレイもつられて見て、そして驚いて声を上げた。

鏡には武装した男が映っていた。もちろん鏡の前にそんな人はいない。

「あれはただの鏡じゃないんだ」

質問を先回りしてディーシャが言った。彼いわく、家に近づいたものを映す鏡なのだそう。

「魔法じゃないよ。僕は科学者だから」

またしても聞く前に答えられた。

科学の力ということは、彼はカナの世界の科学の産物を作り出しているということなんだろうか。

「ところで、お姉さんたちにお願いがあるんだけど。協力してくれるなら、僕もお姉さんの力になるよう頑張るよ」

絶対の取引。

そんな言葉がカナの頭に浮かんだ。断れない頼み事だ。2人がうなずくのを見て、ディーシャが口を開いた。

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