あの日の事はよく覚えている。
---二日前---
「やっばいなぁ。今回、勉強しなかったからだけど、コレは酷すぎる…」
俺は採点済みの解答用紙を見ながら溜め息を付いた。
これじゃ、第一志望。無理か…?
今は中学3年。
受験シーズンである。
「あ、あのっ」
溜め息を付いてる俺を見て、声をかけてきたのはクラス委員長---藤宮。
絵に書いたような優等生、漫画とかに出てくるような。
眼鏡姿に、おさげ髪、スカートは長め…
その藤宮が顔を真っ赤にしながら声をかけてきたのだ。
「あ…な、何?」
あまり喋った事がないのでこっちも緊張する。
「佐野君(俺の名字)って第一志望、確かM高校だよね?
わ、私も同じ所、行きたいんだけど。
い、一緒に勉強とかしない?
過去問とかもあるから…」
「……え?」
あまりにも予想外の事だったから…
びっくりした。
「あ、嫌ならいいの。」
藤宮は顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった。
「あ、ううん。
そうしてもらえると助かる。勉強教えてくれる?」
「うん////」
実際、嬉しかった。
やっぱり、いい高校行きたいし、藤宮は頭いいから。
そんな、簡単な気持ちだった…。
そぅ、この時から終わりが見えてたんだ。