キミにささげるバラード?

ハヤ  2006-06-30投稿
閲覧数[307] 良い投票[0] 悪い投票[0]

『薔薇のように美しく』
『優樹!!』
廊下を走って亜実が優樹に駆け寄る。ちょうど帰りのチャイムが鳴った
『一緒に帰ろ♪』
『あぁ…』
『どしたの?元気ないね?』
『なんでもない!』
…亜実とは付き合っている。亜実は俺の事を好きだし、家同士は仲が良いし、亜実は学年の中で1・2を争う美人だ。しかし俺は亜実の事が好きじゃない。つい最近自分の気持ちに気付いた
『んじゃバイバイ』
いつもの曲がり道で手を振った。
『大好きだよぉ!バイバァイ♪』
なんで亜実を好きじゃないか?元カノが忘れれないからだ
彼女の名前は駒井弥生『別れよう…』
この一言で彼女を苦しめた。そして僕も苦しんだ。
『優樹君…』
目を閉じると弥生の声が聞こえてきそうな気がする……
『そんな悲しそうな声するなよ…』
僕が発した声は震えている。気がつくと僕の家の前。空には満天の星空が輝いている…
僕は誰も居ない家のドアを開けて
『ただいま。』
とつぶやく。まるで寂しそうに助けを求めるように…
『疲れたぁ!』
無理やり明るくしてみると涙がこぼれる。
『別れると何か変わるかもな!』
弥生に言った言葉が頭の中でぐるぐる回る。僕は震える声でつぶやいた。
『変わったのは俺かもな…』
ガチャ
不意にドアが開く音がする。涙を拭き、顔を洗ってからリビングに向かう。
『なんだ、帰ってきたなら鍵ぐらい開けておけよ』
父さんが僕に向かって微笑みながら注意する『ごめん…』
僕の父さんと母さんは離婚している…
『さぁ、晩ご飯作るからできたら呼んであげるよ!』
父さんは腕まくりしながら元気よく言った
『父さんは…』
僕は父さんにそこまで言ったが後が言えなかった。父さんは僕の顔を見ながらきょとんとしてる。
『ごめんなさい…』
僕はこぼれた涙を隠しながら自分の部屋に走った…。
『…弥生…』
濡れた枕に顔をうずめて声にならない声でつぶやいた。薔薇のように美しい雫がほおをつたって流れていく━━

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ハヤ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ