シャリン…シャリン…。
鍵の音が遠ざかり…。
そのまま意識も消えた…。やはり最後は僕の番か…。
ん?
僕は目覚めてしまった…。死んではいないようだ…。ここは病院?
どうやら、命は取られていなかった…。
左手の点滴がゆっくりと
落ちていた…。
右手を上げて頭を触ると
包帯が巻いてある…。
頭を撲られたもんな…。
誰かが運んでくれたのかな…?
また意識朦朧として…。
寝た…。
夢を見た…。
里英ちゃんが夢の中で
笑っていた…。
僕は一番楽しかった時の
思い出を浮かべているのかな…里英ちゃんの手を握ろうとするが掴めない…。
掴めない所かどんどんと
距離が離れて行く…。
そしてそのまま真っ暗な 海の中へ消えた…。
僕は必死で行かないでくれ!僕が悪かった!心の底から謝る!行かないで……!
その声と同時に目が覚めた!
夢か…。
汗だくな身体が一気に冷えて寒くなった…。
過去のあやまちを悔いていた…。
彼女の誕生日の日だ…。
バイト代を貯めて欲しがっていた時計を買いに行った…。
一軒目では売り切れだったので違う店を探した…。
やっと見つけたと思ったら後輩の崎谷ミュウがいた。