奈央と出会えたから。<301>

麻呂  2009-01-08投稿
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青山さんは、



京谷さんのコト、



本当に大好きだったんだって思った。



ケド、



なんで好きなヒトが嫌っていた、ドラッグになんて手を出したんだろう。



きっと、



青山さんは、自信があったんだね。



自分は、



京谷さんに愛されているって。



でも、



気付いたトキには、もう遅くて、



京谷さんの心は、



青山さんから離れてしまった。



さっきから側で、



冷静に2人のコトを見ていた聖人とミズホさんは、



やっとホッとした表情を取り戻しつつあった。



成沢さんは、



終始うつむきっぱなしだったケド、



最後に、



何かを思い立ったかの様に、



突然、ポツリと話し始めた。



『龍二。サオリは悪くないよ。

元々はあたしが、“クサ”の栽培の話を持ち掛けたんだ。

サオリが遊ぶ金が欲しいって言うから、
“クサ”を売って金を儲ける話をね。』


『そんなコトどうでもいい。

俺は、サオリに裏切られたコトが許せねぇ。

成沢が“クサ”の栽培の話を持ち掛けたって、コイツが話に乗らなきゃいいだけの話だ。

ケドもう、

サオリとは終わりだ。

後は、“クサ”の栽培で“カンベツ行き”になろうが、

中毒でイカれちまおうが、

俺には一切関係ねぇコトだ。』



そう言うと、



京谷さんは自分のバイクにまたがった。


成沢さんの、



青山さんに対する必死の弁護も、



虚しく終わった。

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