lost 〜失う苦しみの先に〜 7

Heart  2009-01-08投稿
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ワン兄さんから聞いた話しはこうだった。

剣を抜いた俺はシアンの魔法で飛ばされワン兄さんの側に落ちた。
俺が落ちたのを見てワン兄さんが駆け寄ろうとしたけど、その時には俺は立ち上がっていた。
その時の俺の体は全身真っ赤で血に見えたらしい。
ワン兄さんがそんな俺を見て駆け寄ると俺はワン兄さんを殴り飛ばしたらしくワン兄さんの前歯は今でも折れている。
その後の俺は鬼神のように暴れだし村を人を自然を次々に壊していった。
村の全てを壊してもなお暴れていた俺を兄さん達で止めようとしたが、俺は止まらなかった。
そのまま隣の町また隣の町を壊して俺は力つきた。
そして兄さん達に運ばれ今ここにる。

話しを聞いた俺は自分がしてきたことに後悔した。
ワン兄さんの前歯を折ったことを謝ったらワン兄さんは笑って「また伸びる」と言ってくれた。
それとワン兄さんが言うには「お前は人間と鬼を合わせたホムンクルス」らしい。

自分が鬼だと理解できなかった。
自分が村を壊したことを理解できなかった。
自分が村の人達を殺したことを理解できなかった。
自分がシアンを殺したことを理解できなかった。
誰も信じられなくなった。

それからの俺は…
喜びを失った。
痛みを失った。
怒りを失った。
哀しみを失った。
希望を失った。
夢を失った。

俺は空になった。
ただ一つだけ俺の中にある物があった。
それは苦しみだけだった。
あの後も俺はいろんな人を殺した。
人を殺すたびに俺の苦しみは増していった。
でも人殺しは辞められなかった。
兄さん達も俺の鬼の力を恐れた。
それを知った俺はオリュンポスを抜けた。
オリュンポスを抜けた俺がやることは放浪して着いた町を壊し人も殺す。
俺は快楽殺人鬼となった。
俺は世界の人口を半分以下にした。
そんな俺をみんなは『アレス』と呼び始めた。

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