一時間目の数学はヤッパリ拷問だった。そして睡魔が襲ってきた。睡魔は僕にラリホーを唱えてきた。僕はそれを防ぐ手段がい。もうダメだ…。『翔太君、この問題の答えは？』
先生が声をかけてきたので一気に目が覚めた。しかし、全然わからない。全く聞いていなかったのだから当たり前だ。
『よく聞いていたのか？さっき教えた公式を使えば簡単だろ』
その言葉は僕に言う言葉なのか、と思った。
『………………………』周りは静まりかえっている。先生の熱い視線を感じる。悪いことをしていないのにこんな状況だと、僕が責められているようだ。
『わかりません…』
これしか言えない。
『じゃあ瀧、お前はどうだ？』
情けないな、と思った…。
帰り道僕は忘れ物に気づいた。まだ学校からあまり離れていなかったので戻ることにした。教室の前まで行くと聞き覚えのある声が聞こえた。
『どうして嘘ついたの？』
真澄の声だ。
『だって真澄いつも直前で逃げちゃうじゃん。このままだといつになるかわかんないから私が一肌脱いだわけ。』
『だけど…ヤッパリ事前に言ってくれないなんてひどいよ』
教室に入れる雰囲気ではない。盗み聞きしているみたいなのでその場を離れることにした。
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