Re:versible

雪見薫  2009-01-09投稿
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「優夜。またリバース事件の懸賞金、上がったぜ。」
またかと言った風に、優夜は振り返った。
「…いくらになった?」
「八千万円。金持ちのやることは、わかんないね〜。
「…………」
「ま、でも気にはなるねぇ。ここの近辺でも、何人か消えてる。で…調査する?」
「…朔斗」
嫌な感じがして、優夜は朔斗を遮った。
「なに〜?」
「好奇心で事件に首はつっこまない方がいい」
朔斗と呼ばれた長身の少年は、大げさに肩を竦めた。
「相変わらずだねぇ、優夜。お前だって気になってるだろ。なんせ、『あいつ』まで消えてんだ。」
「…俺には関係ないよ。唯隆ならきっとどっかで生きてるさ。」

周防唯隆。
優夜、朔斗両名の後輩であり、彼らの「仕事仲間」でもあった男。
彼は、ちょうど1ヶ月前に、突如行方不明になった。
同時大量失踪事件、通称『リバース』の四十八人目の犠牲者となる。

「それに…この事件には関わっちゃいけない。そんな気がする。」
と、呟く優夜。
「なんで?」
「勘」
「勘かよ」
「俺の勘はよくあたるんだ。」
「………」
諦めたと言うように、朔斗が立ち上がった。
「へーへー、冷たいねぇ優夜は。わかったよ、僕一人で調べるよ。」

東条優夜。
高田朔斗。
そして…周防唯隆。
三人は、腕っぷしがやたら強く、その力で地元の街の問題解決屋のような仕事を請け負っていた。
ずっと守ってきたその街で、人が失踪したのだ。それも顔見知りの、仲間が。

「…ほっとけるわけないだろう」
朔斗は一人、調査に乗り出した。

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