エリザベスドール?(38)

ぐうりんぼ  2009-01-09投稿
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 突入作戦の模様は、モグレ警部たちは直接見る事は出来ない。

 しかし、パトカー無線でチューニングを合わせる事で…

 兵士たちの無線のやり取りが傍受出来る。

「ジョージの言う通りだったようだね?」

 エリザベスが動き出して、アースルもルークもジョージの説を理解するようになった。

 自分の主張が間違いでなかった事に、ジョージは満足である。

 それにしても…

 バラバラになっても、死なないとは…

 改めて北の魔界の人形の強さを痛感した。

 ルークは無線のやり取りをジッと聞き入っている。

 が…!


―ルーク、ワタシヲ、タスケテ―\r

 ささやくように、耳に入って来る声なき声。

 助けを呼ぶ、若い女の声である。

 辺りを見回すが、女らしき姿はどこにも見えない。

 又、声が…

―オネガイ、タスケテ―\r

 声の主はすぐに分かった。

 ルークの心に激しい怒りが込み上げて来る。

(エリザベス! 又、あの化け物人形だ!)

 4号研究棟の方に見やるルーク。

―ルーク、イマデモ、アイシテルワ―\r

 又、エリザベスの声。

(畜生ォッ! どこまで、しつこいんだッ!?)

 ルークの怒りは益々、頂点に達した。

―ルーク、ダイスキ―\r

(エリザベス!)

―ウフフ、ルークハ、
 ワタシノ、モノ―\r

(冗談がキツいぜ!
 俺はお前のような、人殺しの化け物人形は、キライ何だよ!)

―ルークゥ…―\r

 耳を押さえ、悶えるルーク。

―ルークゥ…― 

 泣き出すエリザベス。

 1人で思い詰めているルークに、ジョージが声をかけて来た。

「どうしたんだ?
 顔色悪いぜ」

 ジョージからの声かけで、ルークはハッと我に返る。

「あ、いや! 急に、熱っぽくなったかなあって思って」


「大丈夫か?」

 心配するジョージ。

 隣にいるアースルが話しかけて来た。

「気分悪いんだったら、クルマの中で休まないかね? 場合によっては、運転手に自宅まで送ってやってもイイから」

「あ、ありがとうございます。でも大丈夫、平気ですから」

 無理をして、笑顔を見せるルーク。

 

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