奈央と出会えたから。<303>

麻呂  2009-01-10投稿
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『誰だ?!』



辺りに響き渡った叫び声と同時に、



京谷さんのするどい眼光が、



見事にあたしとユカに突き刺さった。



き‥きゃあ‥‥こ、怖いよぉ〜〜!!



『す、す、す、済みません!!』



み、み、みなさんお揃いでっっ。



し、視線が痛い‥‥。



『な?!奈央???
オマエ何で、こんな所にいんの?!』



聖人が驚いた顔をして、あたしに言った。



『えぇっっ?!

奈央ちゃんも秋田谷さんも、どうしたの?!

教室に戻っていいわよって言ったじゃん?!』



ミズホさんも目をまん丸くしてた。



『ち、ちょっと‥し‥心配でっっ。』



嫌だ。



あたしってば何言ってんの?!



青山さんは、



京谷さんに振られたショックで、



まだ泣きじゃくっていて、



その横に立つ成沢さんは、



青山さんをなぐさめていた。



あたしは、



何ともひどいタイミングの悪さで、



自分の存在を、この場にアピールするコトになってしまった。



『オマエ、もしかして聖人のオンナか?!』



バイクにまたがった状態で、



京谷さんは、あたしにそう言った。



『は‥はい。

は、初めまして‥‥。

あたし、2年の木下 奈央って言います。』



『ふぅん。じゃあ、そっちのコは友達?!』



京谷さんは、今度はユカの方を見ると、


更に、あたしに質問してきた。



『あたしは、奈央の親友の秋田谷 ユカって言います。

奈央と同じ2年です。』



シンユウ――



その言葉が、嬉しかった――



ケド、



さすがユカ。



こんなトキにも動じないで、ハキハキしてる。



『ハハハ。聖人がねぇ‥‥。』



京谷さんは、一言そうつぶやいてから、


またがっていたバイクから下り、



聖人の耳元で、こう言ったんだ。



『聖人。オマエが丸くなったのは、

このコのせい‥‥か?!』



そんな京谷さんの言葉を受け、



聖人は、あたしの方をチラリと見た。



『俺は何も変わってないっスよ/////』



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