授業が終わり放課後となった。
教室から人が次々と出ていきついに一人も居なくなった。
勿論自分達を除いて…だが。
「さて、本来ならばこのまま即座に下校して慎弥達の家に直行すべきなのだが本日は予定が変わりここで当初の予定を果たしたいと思う」
遼はそう言って彼女を掌で示した。
「本日の議題は、ご存知こちらの少女の呼び名決め」
「おい、その喋り方どうにかならないのか…?」
ちょっとと言うかかなり鬱陶しい。
「安心しろ、どう考えても俺にこれ以上の引き出しはない」
「無いのかよっ!」
素晴らしく諦めの良いやつだった。
「時間もあんま無いんだし早く、それでいて深く考えて決めちゃいましょ」
そう言って怜は腕組みした。
「どんな名前がいい?」
麻衣が彼女に聞いた。
「…何でも良いです」
「うーん…」
そう言う言葉が一番難しいんだよな…。
ま、取り敢えず…。
「はい」
「ほい、慎弥」
「智江ちゃん何てどうかな」
「いや、その名前はあんまり…」
怜がやんわりと反対した。
「何だ、何か問題でもあるのか?」
「いや、以前読んだ本でその名前の人が殺されちゃったから」
「ああ、成程」
じゃあちょっと縁起悪いかな。