怜の問いに彼女は若干頬を染めた後。
「昨日(さくじつ)頂きました…慎弥さんから」
と答えた。
…何で赤くなるよ、そこで。
ここでそんな表情すると本気で妙な誤解を招きかねないぞっ。
「へぇ〜…」
ジト目で見られた。
招いたな…こりゃ…。
「あの…何でしょうか」
「別に〜」
「お兄ちゃん…」
「ん?」
「私もプレゼント欲しい」
「…は?」
「私も欲しい」
「欲しいって…、一週間前にやったじゃんプレゼント」
あの即興で書いた何でも券。
「…そうだけど」
「だろ?」
「…鈍感」
ボソッと怜が何かを言った。
だが、あまりに小さな声だったので俺には聞き取れなかった。
「ん、何だって」
「何でも」
と言って再び怜は腕組みをして考えに耽った。
「でも、随分と珍しい物を撮りましたね」
「奏月か…運良いなお二人さん」
遼と幸姉が写真を見ながらそう感想をもらした。
「ああ、ホントにラッキーだったよ」
写真…夜…。
「近頃じゃそうそう写真にも…」
月…花…。
「…」
奏月…。
「…どうしました、慎弥さん?」
「奏(かなで)…」
「ん?」
俺の呟きにいち早く遼が反応した。
「今何て?」
「奏――奏何てどうかな」