「奏?」
「ああ、奏月のそうから取って奏。――どうかな」
「…奏か」
ふむ、と遼は腕組みした。
「…」
な、何か微妙な空気になった…。
何、俺何かそんなに酷い名前挙げた?
やっぱ取り下げた方が良いかな…。
「…良いんじゃないですか、それ」
そんな空気の中唐突に幸姉はそう言葉を発し俺に笑みを向けた。
「私は良い名前だと思いますよ」
「うん、私も良いと思うよ」
その言葉の後麻衣も肯定の言葉を発した。
「怜はどう思うよ」
遼が怜に問い掛ける。
「遼は?」
「俺も良いと思うぜ?少なくとも今まで挙げた案よりは」
その遼の言葉の後「…そうね」と怜も頷いた。
「うん、私も良いと思うわ。珍しいわね、シンがマトモな名前を挙げられるなんて」
「…それは、褒めてんのか?けなしてんのか?」
「ふふ、一応褒めてんのよ、これでも」
と言って怜は前を向き全員に聞いた。
「じゃあ、満場一致で奏と言うことになるけど皆ホントに良いのね?」
「はい、私は構いません」
幸姉は笑みを浮かべて頷き。
「うん、私も良いよ♪」
麻衣も笑顔で肯定し。
「右に同じだ」
遼も賛同の意を示した。
「よし、じゃ、奏に決定ねっ」