コンポタのとうもろこしの粒が、缶の中に残らないようにするには、どうしたらよいか。
僕がたどり着いた答えは、
缶の形状をボトル型にする
と、いうものだ。
缶の中に粒が残ってしまうのは、プルタブで開けられた口に、ひっかかってしまうからだ。
これをボトル型にすれば、開口部にひっかかりはなくなり、粒はなにものにも邪魔されることなく、僕らの口の中へ、おこしいただけるのではないだろうか。
これはきっと画期的なアイディアだ。
今回言う『画期的』は、決して個人的なものでなく、缶コンポタ業界においても、きっと『画期的』なはずだ。
と、個人的にはそう思っている。
なので、もし『画期的』でないとしても、そこはつっこまずに、是非、そっとしておいて欲しい。
とりあえず、この缶コンポタはボトル型ではないので、大多数の人がやっているように、僕は、缶の中身をくるくると回しながら、粒ができるだけ残らないように飲んだ。
見事、残数を約1・2粒に抑えることに成功した。
はっきり確認できないが、おそらく1・2粒だろう。
こいつらに、これ以上つき合いきれない。
僕は、バイト先手前の自販機横のゴミ箱に、その缶を捨てた。
メーカーの違う缶をそこへ捨てることに、若干の後ろめたさを感じながら。
ロッカーに入って、携帯で時間を確認すると、すでに出勤の15分前だった。
僕は少し焦った。
というのも、10分前には顔を出さないと、社員がうるさいからだ。
僕はそそくさと着替え、タイムカードを切り、表に出た。
まぁ、よくある飲食店。
お酒も出してるので居酒屋っぽいが、それよりは家族でも入りやすい感じ。
だと思っていたが、前に知り合いにここで働いていることを告げたとき、その知り合いは、この店は予約しないと入れない店だと思っていた。
…そんなたいそうな店じゃねーよ。
それと、前に駐車場がないと言ったが、従業員用の駐車場がないという意味で、お客様用駐車場は、多くはないがある。
社員は車で来ている。
ズルいね。
それにしても、自分はなぜここでバイトを始めたのだろう。
もうかれこれ4年は働いている。
家からも遠いし、時給もそんなに良くない。
にもかかわらず、このバイトを4年も続けられたのは、あることが関係している。
続きはまたの機会に。