初めにお詫び致します。
第1話で、主人公を「朝倉祥子」としていましたが、突然第2話から「翔子」と書いてしまいました。素人故のミスです。心からお詫び申し上げます。今後は「翔子」に統一して書いて参りますので、今後の展開をお楽しみ下さい。
翔子の家の電話が鳴った。「はい、朝倉ですが」「翔子?私、三浦だけど」「ああ純子、何か有った?」「分かったよ、木下君の居どころ!」「えっ、本当?何処に住んでるの?」翔子は、純子の口からどんな話が聞けるかと、興味深々だった。「あんたの驚く顔が見たいから、今からお邪魔して良い?」「良いけど。どうしたの?勿体振って」「良いから、良いから。じゃ今すぐ出るからね」
翔子は思った。やはり只野が木下なのか?うちの近所に居るのを突き止めて、私を驚かせようと、純子がやって来るような気がした。1時間ほど経って、純子がやって来た。
「翔子、驚かないでよ」と言って純子は、住所が書かれたメモ紙を翔子に見せた。そこには、只野の住所が書かれていた。翔子は、やはりそうか、と思ったが、純子には驚いた顔を見せた。そして、知っていたと思われないように、何処までもとぼける事にして、玄関に貼ってあった町内の地図を持って来た。「え〜と、この住所なら、うちの向かいで……あっ、ここだ!」翔子は地図の空白になっままの、角の家を指さし、改めて驚いて見せた。「えっ、それじゃここから見えるんじゃない?」純子は、そう言うと、窓のレースカーテンをめくった。翔子はその後を追い「あそこの角の家よ」と指を指した。「でもあそこは、先月引っ越してきた「只野」さんよ」「それが問題なの。翔子、驚かないでよ!婿養子に入ったんだって!」「ええっ?あのプライドの高い賢介が?」翔子は、薄々気が付いていたものの、それが事実と知り、本当に驚いた。
木下の事が分かった経緯は、こうである。
大学も一緒だった同じクラスの「菊地雄二」が、父親の後を継いで小さな建設会社の社長をしている。元々賢介の会社と取り引きが有って、最近新任の支店長として赴任して来た賢介が挨拶に来たのである。菊地は「木下?」と思ったが、渡された名刺が「只野」だったので、恐る恐る聞いて見ると、やはり木下だったのだ。
木下は入社当時から仕事が出来て、昇進も早く、社長の目に止まったらしい。そして、社長の一人娘と結婚することになって、婿入りしたのだった。