エリザベスドール?(41)

ぐうりんぼ  2009-01-12投稿
閲覧数[433] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 すぐにモグレ警部は、正門付近で待機している警察官たちに指示を出した。

 ―――――――――\r

「ルーク、本当に顔色悪いぜ」

 近くのベンチにグッタリ腰掛けるルークを見て、ジョージは心配する。

「大丈夫だよ」

 相変わらず、何もない事を強調するが…

 ジョージには、ルークの異変に気づいていた。

 ふと、今の状況が頭によぎったジョージは質問してみた。

「もしかして、人形の事で何か悩んでいるんじゃないか?」

「な、何もないよ」

「正直に言えよ」

「正直に言ってる」

 溜め息付くジョージ。

「なあルーク、君が隠し事したって僕を誤魔化せないんだぜ」

「何が言いたい?」

「僕には分かるんだ。
 君の…
 どこか、落ち着きのない表情。誰かに対する怒りの眼差し。まるで…
 何者かに、誘惑されているみたいだ」

「だーかーら!」

「ルーク!」

「…」

「何者かに、誘惑されているんだろう?」

 しょうがねえなと言う態度でルークは言う。

「エリザベスだ」

「エリザベスが、どうかしたのか?」

「さっきから、俺の耳にエリザベスの声が聞こえて来るんだ。
 まるで…、耳元にささやくようにね」

「僕には聞こえない」

「聞こえるのは俺だけかもしれない」

「人形は何て、言ってるんだ?」

「私を助けてとか、今でも愛してるとかね」

 思わず、背筋がゾッとなるジョージ。

「何てこった。化け物人形に惚れられてしまったのかァ!」

「一時期は、俺をも殺そうしたのに」

「今でも、愛する気持ちは変わっていなかった」

「こっちはホント、イイ迷惑だよ」

「その気持ちは、よく分かるよ」

「どうしてなんだ?」

「何が?」

「今まで、エリザベスの声が遠くから聞こえて来る事なんてなかったのに。妙だ」

「きっと、ローズマリーのせいだな」

「ローズマリーが?」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ぐうりんぼ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ