肩が震えるのは
降り出した雪のせいじゃない
あなたの『ごめんね』を何度も聞いた
そんな言葉はいらない
そんな優しい顔は見たくない
『もう謝らないで』と
声を張り上げた
私の上擦った声に怒った表情にあなたが困った顔をする
あなたが望もうが望むまいが構わない
どんなに我慢しても私の想いをぶつけてもどうせこれで終わりなのならば
最後に私の想いを全てあなたに伝えたかった
『行かないで』とあなたの腕に縋って泣いた
あなたが私の手を掴み静かに首を振った
放された手が行き場をなくした
雪が溶けて濡れた私の髪を優しく撫でて
『風邪ひくよ』と言った
そんな風に心配をしてくれるのなら
私のこの苦しみを
叫びを聞いて欲しかった
冷え切った頬に流れ出る涙が暖かい
どんなに泣いても届かない
肩を震わせ孤独に崩れてもあなたはその肩を抱いてはくれない
精一杯の声を振り絞って去って行くあなたの名前を呼んだ
もう振り返ってはくれない
悲しくて虚しくて
その場に座り込んで声を荒げて泣いた