鉄パイプとピストル

カートカーティス  2009-01-13投稿
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第4生。ロックと死


呆気にとられた………
目を見開きオッサンを見つめる俺にもう一度…


「俺を撃ち抜いてくれないか?」


理解出来なかった……
理解出来ないから何故?と聞こうとした。
すると…………


「ハハッ!俺ぁお前に撃たれなくてもほっといてもあと三ヶ月で死ぬらしいわ……まあいつ死のうがかわらねぇわけよ!ハハッ……」


笑っていやがった……
やはり理解出来なかった……死という現実を目の前にして笑えるものなのか?あいつはどー思ったのか?


またあいつの目がちらつく…………


「まあでもおめぇには撃てねぇか………」


『はぁ?』


「いやてめぇには撃てねぇよ……てめぇは夢や希望もねぇ目してるがそれゆえに臆病な目をしてんだよ………そんな臆病物に俺を撃てやしねぇわな…………」



『テメェなめてんのか?』


俺は怖いもんなんて一つもなかった。いままで生きてきて何一つ恐れるものなかった。そんな俺に臆病だと?切れかけてオッサンに鉄の黒い固まりを向けた。


「俺を撃てたらおめぇはきっといい大人になるわ……ハハッ!」


『クッ!』


悔しかった……悔しかったが引き金に指をかけたまま撃てなかった。
するとオッサンが俺から鉄の黒い固まりを取り上げてまじまじと見ている。


「へぇ…よくできてんだな……」といい店のレコードを取り出し店内の曲を変えた。


「いい曲だろ?俺は死ぬ時この曲聞いて死にてぇのよ……………………」


といった瞬間こめかみに鉄の黒い固まりを当てて…………



(パンッ)









いい曲だ……………





気付けば外は夜が明けそうな白いもやがかかっていた……………



少しの間倒れたオッサンを見つめコーヒーをすすりながら、最後にかかっているロックを聞いていた………………



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