奈央と出会えたから。<305>

麻呂  2009-01-13投稿
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京谷さんが去って行った後、



まだ泣いている青山さんと、



その横に立つ成沢さんの姿に、



あたしは、



自分がまだ、この状況を十分に理解出来ていないコトに気付いた。



だって、



そもそも、“クサ”とかって言葉が、



青山さんと成沢さんの会話の中で飛び交っていた時点で、



あたしには、



全く意味が分からなかったし。



でも、



青山さんから煙草を腕に押し付けられそうになったトキの、



ミズホさんの登場にはビックリしたな。


なんか、



全然、頭の整理がつかなくて、



まだ、放心状態のあたし。





『おい、青山。

男遊びも大概にしとけよ?!

どうよ?!

本気で惚れた男に逃げられた気分は?!
ま、自業自得ってトコだよな?!』



まだ泣いている青山さんに向かって、



聖人が言った。



そして、



ミズホさんも聖人に続けて、こう言ってくれたんだ。



『あんた達が“クサ”の栽培をやってるコト、

もし、学校や大人達にバレたらマジやばいよ?!

あたしも聖人も、

今回だけは目をつむってやるからサ。

そのかわり、奈央と秋田谷には、

今後一切手ェ出すなよ?!

この2人にもし、何かしたら、

あたしも聖人も、

あんた達を許さないよ?!

分かったね?!』





青山さんも成沢さんも、



最後までうつむいて、小さくなっていた。



『そろそろ引き上げねぇと、ヤバイぜ?!ミズホ。』



『そうね。

青山に成沢。あんた達も、もう行きな。』



ミズホさんが、そう言うと、



青山さんと成沢さんは、



たどたどしい足取りで、この場から立ち去った。

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