『すみません、○○○○○ビルまでお願いします!』
俺は猛烈に急いでいた。なぜなら今日は大切なプレゼンがあるからだ。社会人としてやってはいけない寝坊をしてしまった。
『え、何ですって?』
『だから○○○○○ビルだって。早くしてよ、今急用なんだから』
『お客さん〜このタクシーのこと全然わかっていないでしょ。このタクシー別名マッハG○G○G○タクシーって言われてんだから』
驚いた。アニメの見すぎだよ。
『このハンドルに四個のボタンがありますよね?ボタンの数だけ凄いサプライズがあるんですよ!』
お前が運転手なのがすでにサプライズだよ。
『じゃあ、早くそのボタンを使って目的地に行ってくれよ』
『わかりました。一つ目のボタンは、好きな音楽を流して時間を忘れさせるSOUNDSTYLE』
死ね、ふざけるな。
『お気に召さなかったみたいですね。では二つ目のボタン、フロントガラスで映画が見れるMOVIESTYLE』
お前が運転できないだろ。
『仕方ないですね。三つ目のボタン、バネの力でひとっ飛びSPRINGSTYLE』
マッハG○G○G○だってそんなに飛ばないよ。
『仕方ない…最後はパトカーに早変わり、サイレンを鳴らして地上を征すPOLISTYLE!』
もう…ダメだ…。