プロローグ
「あれ…未夏?」
「はぁ?……美佳…」
「久しぶり…」
「うん…」
岡本未夏 オカモト ミナツ
高校1年生。
青柳美佳 アオヤギ ミカ
高校1年生。
あたしたちは、5年前に離れた幼馴染み。
小5の夏までずーっと一緒だったけど、
美佳の親が離婚してしまい、あたしの親はそれを嫌って、別れてしまった。
『未夏、美佳ちゃんとは友達やめなさい』
『え…?』
『明日、引っ越しするから荷物まとめといて?』
『なんでよ!!美佳と離れるなんて嫌!!』
バタンッ!!
あの時は、美佳の親の都合だなんて分かる訳もなくて…
『みぃちゃん…』
『ねぇ、なんで美佳と離れるの??』
『それは…』
『あたしに言えないの!?友達でしょ!?』
つい美佳の弱さに怒鳴ってしまった。
『…あたしだって嫌』
『じゃあなんでよ!』
バシッ
美佳は、握っていたあたしの手を叩いた。
『痛っ…』
『知らないよ、理由なんて』
冷たく言い放つ美佳が、何だか別人のようだった。
『…さよなら』
バンッ!!