僕、日常、神様、悲壮4

hiro  2009-01-13投稿
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「な、なんでお前がここに?」
横田が言う。
寒さからか、恐怖からか、声が震えているようだった。
「こっちのセリフだ。なんでてめえがいるんだ!」
今来たばかりの坂本が怒鳴った。
僕はその様子を木の陰から見ている。
「そ、それは…、手紙でさ」
横田の声にはほとんど力がなかったが、何とか聞き取れた。
「バカじゃねーの?それ、俺らが書いたんだよ。バーカ」
「ど、どういうことだよ」
「俺が書いて、今朝松井に入れさせたんだけどよお」
松井?僕には何が起きているのか把握できなかった。
横田と坂本の話しは続く。
「間違えて、てめえの靴箱に入れちまったみたいだな」
冷たい風が、落ちた葉っぱをパラパラと蹴散らす。
「じゃあ、この手紙は誰のとこに入れるつもりだったわけ?何の為に?」
僕はあのピンクのラブレターを無意識に想像していた。
「吉川だ。理由は簡単、殺す為だ」
冗談に聞こえないから恐ろしい。
ピンクのラブレターとその言葉のギャップの凄まじさに、僕は叫びそうになった。
「え」
「吉川をここにおびき寄せて殺す!」
「な、なんで」
「てめえには関係ねえだろ!それより、てめえはこの話を聞いちまったわけだ」
灰色の空が余計に不気味さを引き立てる。
「その手紙を吉川の靴箱に入れてこい!さもないと、てめえも殺す」
(プーぅ)
そこで、おならの音が響いた。誰のかと思ったら、僕のだった。
さっきサツマイモを食べ過ぎたからか?
皮も残さず食べておけばよかった、と激しく後悔した。
ー続くー

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