「またやらかしたな、アン。」
「アン?これの名前?」
私は鼻ベチャの可愛いとは思えない犬を指差した。
「指差すな。これって言うな。まぁそうやけど?」
「フーン。」
「可愛いやろ。」
「・・・微妙。」
翔ちゃんが自慢げに見上げてくるが、
何とも思わない。
逆に可哀想にも思えてくる・・・。
「種類は?」
「フレンどブルドック。」
「フレンチブルドック。」
「あれ?翔ちゃん間違えた?ドーンマイ!」
お兄ちゃんがナイスガイポーズをして、歯を煌(きらめ)かせる。
なのに翔ちゃんの反抗的な態度。
ナイスフォローなのにねぇ。(そうか?
「うっせぇ!!!!フレンチブルドックって言った!!」
「あーはいはい。・・で。長くなったけど何か用で御座いますか?」
「この近くで殺人事件があったらしい。」
「What!?」(何!?)
えっ!?お兄ちゃんって英語知ってるの!?
マ・・マジで・・・?
私ほんとビックリした・・・。
あー、スイマセン。取り乱してしまいました。
続きをどうぞ。
「殺人事件って…ドラマか何か?」
「ハゥ!?」
うっわ・・分かりやすっ。
「い、いやドラマじゃない。ドラマじゃない!
だから、殺人事件があって、暗号があんだけど、
オレはもう解いちまった、から、お前等、にも、やって、もらう。」
「翔ちゃん息継ぎ多い。」
「妊娠か!?」
「お兄ちゃん。妊娠は『ヒィ、ヒィ、フゥ』だよ。」
「あっ、そっかァ!!」
ノってみましたー。ピース。(^_^)v
私って、変な生き物。
まあお兄ちゃん納得してくれたし、いいや。
その時、翔ちゃんの家のドアと、嵐山家のドアが、
同時に勢いよく開いたのだった。
バタン!!×2
〜続〜