エリザベスドール・THE・FINAL?

ぐうりんぼ  2009-01-14投稿
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 ルークの耳にはその後も…

 何度もエリザベスの声が聞こえて来た。

 まるで…

 傍で直接、ルークにささやくように誘惑して来るのだった。

 エリザベスの声を幾度も聞かされたからか…

 ルークの心は段々と揺れ動いて来た。

 エリザベスへの怒り憎しみが薄らいでゆき、恋い慕う気持ちに変わっていったのだ。

 そう…

 エリザベスが初めて我が家に来た頃の…

 恋人のように、慕っていた純粋な気持ちの時のように。

 ルークは目に見えない何かに導かれるような感じを受け、足が4号研究棟の方に向かい始めた。
 これは危険だ!

 建物内には先ず、入れないハズだが…

 中に入って2体と遭遇すれば、絶対に霊気や魂を吸われてしまう。

 何とかルークを止めようとジョージは必死になるが…

 結局、ルークはジョージやアースルの制止を振り切って、中ヘ駆け込んで行ってしまう。

 ジョージやアースルにとっては、ルークの生きている姿を見るのは…

 この時が最後だった。

 ジョージが心配した通り、ルークは建物内で2体と遭遇した。

 エリザベスに魂と霊気を全て奪われてしまう。

 騒ぎが収まって、モグレ警部たちが建物内の現場現象を行った時には既に時遅く…

 ルークは変わり果てた姿で発見された。

 軍の応援部隊が現場に到着した時は既に…

 ローズマリーの姿も、エリザベスの姿もどこにもなかった。

 不思議な事に…

 人形たちは二度と、人々の前に姿を見せる事はなかったのである。

 ―――――――――\r

 人々が知らない間…

 人形たちは魔界の玩具用馬車で、地上界を後にしていた。

 馬車にはローズマリーやエリザベスの他に…

 一緒に地上界に来ていた長女キャロラインも乗っていた。

 人間の世界の探訪を終え、キャロラインもローズマリーも大満足していた。

 地上界で…

 人間の恋人探しの為にノコノコ付いて来たエリザベスも大満足である。

「ワタシノ、コイビト、ヤット、ミツケタ」

 ニコニコ顔のエリザベス。

「ヨカッタワネ。モクテキ、ハタセテ」

「アトハ、ケッコンシキ、アゲルダケネ」

 幼い子供のような声のトーン…

 共に、キャロラインとローズマリーが喋っているのである。

 地上界では人間と同じ背丈(身長約162?ぐらい)の人形たちは…

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