二人でしばらく話していると、
「やべ。俺いまから部活だった。校門まで送る。」
そう言って、校舎を出て、二人でグランドの脇を通って門へ迎う途中、急にグランドのフェンスを飛び越えてサッカーボールが飛んできた。
サッカー部の男子がフェンスへ向かって走ってくる。
「おーい!マサ!ボール取ってくれ!ってかお前どこ行ってんだよ。部活サボんのかよ。聞いてんのか?‥‥あれ?」
その男子はそこまで言った後ようやく私に気がついた。
「は?なんでマサと月原さんが一緒にいんの?」
その男子は心底驚いた顔をした直後、ニヤっと笑って部活仲間のところに走っていった。
「うわ、あいつ何しようとしてんだ?ちょっ‥校門まで送るとか言ったけど、ごめん!このまま部活行く。じゃ、ばいばい!」
平井君はサッカーのグランドへ走って行った。部活仲間が平井君に向かってサッカーボールをぶつけている。
その光景が可笑しくて私が笑っていると、同じクラスの女子が数人こっちに向かって走ってきた。
「月原さん!マサノブと付き合ってんの!?」
その子たちが平井君のことを呼び捨てにしたことに私は少しやきもちを焼いた。でもそれを隠して私は笑って頷いた。