「最近、長い銀髪の娘が訪ねて来ませんでしたか?」レミスは睨むように暫くランスォールを見ていたがやがて蛙のような広い口を開いた。
「知らん。」
それだけ言うとレミスは部屋の奥に消えようとした。「レ、レミス爺!手紙!」
シドマが手紙を渡すとその場で封が切られた。
「…………。」
読み終わった彼はその手紙を暖炉に放り込んだ。
「え!?捨てるんですか?」
レミスはまた責めるような目で雪を見た。
「わしに来た手紙をわしがどうしようとわしの勝手じゃろ。」
それは、そうなのだが。
「もう用がないなら帰れ。」「あの、『三種の神器』について聞きたいことが…」ラウフが言いかけた。
「あれについて、わしはもう関わらん。」
レミスが奥に入ってしまったので四人は仕方なく小屋の外で待つことにした。
寒空の下、三時間。
小屋の前の茂みが動いた。黒スーツのこともあり、自然に武器に手が伸びる。
ガサリ、ガサリ。
「あ……。」
そう言ったのは、雪だった。
先に姿を現したのは30代の狩人。
「あ……。」
次に言ったのは、彼女だった。
「シーラ…」