とまあ、足をバタバタさせながらビービー泣き出す。
「ハイハイ、痛くない。 痛くない!」
ダーヤンは人形を抱き上げ、布で涙を拭いてやった。
「クスン。ダーヤンサマァ」
人間で言えば、10代半ばの女の子なのに…
仕草は、幼いガキそのものである。
「ダーヤンサマァ!」
キャロラインが泣き出した。
見ると…
着せたばかりの衣装の袖が両方とも破れて無くなっているではないか。
「キディガ、ヤッタ!
キディガ、ヤッタ!
イタズラッコ!」
ローズマリーがキディを指差した。
何と、イタズラっ子のキディがフザケて袖を引き破ってしまったのだ。
「キディ!」
叱り付けるダーヤン。
「エヘへ!」
破り取った袖の切れ端を手に二コニコ笑いながら、キディは踊る。
その上手さにダーヤンもニッコリ。
「あなたも、踊りが上手ネェ」
「ワーイ、ダーヤンサマガ、ホメテクレタァ!
キディ、ウレシイ!」
目を輝かせ、キディはますます調子に乗る。
「でもダメでしょう?
せっかく、作った素敵なドレスなのにィ。
お仕置きしちゃおうっかなァ?」
と言って、ダーヤンはキディを掴み上げた。
衣装を破り抜き、履き物を取る。
素っ裸になったキディをダーヤンは…
魔法で用意した鍋の中に放り投げた。
鍋の中には、グラグラ煮えたぎった液体が満たされている。
すると…
「ギィィアアーァッ!」
キディはお湯の中で手足をバタつかせながら、激しくもがいた。
あまりの熱さに、キディは鍋を飛び出して辺りを走り回る。
「キャハハハハハハ!」
人形たちは皆、腹を抱えて大笑い!
全身がケロイド状態になったキディは床に倒れ、ピクピクと震えた。
可愛い顔したダーヤンだが…
心は、悪魔そのものなのだ。
「さあみんな、そろそろ…結婚式を始めるわよ!」
ゆったりと立ち上がったダーヤン。
「ワーイ! ケッコンシキ!」
「ケッコンシキ!」
「ケッコンシキ!」
人形たちは目を輝かせながら、ハシャぎ回る。
お気づきだろうか?
エリザベスの姿がない事に。
歩きながら、親友のカレンがキャロラインやローズマリーに尋ねた。