―「何…あれ…?」
シードラは言った
「昔は村だったさ…」
―ティアズはあの時の村を思い出していた―\r
村は燃え上がり、手足のなくなった親友や、泣き叫びながら燃えた赤ん坊、皮の爛れもがき苦しむ母
―炎の中、たった一人で剣を奮った―\r
―そこは村というより、焼け野原に近く、ほとんどの家は砕かれていた、穴だらけの家や、血の付いた塀もあった
「酷いだろ?」
「たった1人の魔術士がやったのか?」
「いや…後からわかったけど、ゲンガーってのが、100人いたんだ」
「100人!?」
「アクアはどのくらい出せる?」
「5人ぐらいだ…」
「全員倒すのに二時間かかったな」
「倒したのか!?」
「ああ…」
(任せてください…100人と戦ったこともあります…)
メアリは協会での、言葉を思い出した
「でも…負けたんだ」
「そうか…」
アクアは呟いた
「とにかく!今は手がかりを探そう」
メアリはどうにかこの空気を変えたかった
―今日の朝飯の時のことだが
「あいつ、村にやらなければならない事があったと言ってたな…」
ティアズは言い、メアリは魔界の料理を作っていた
「確かに…残された道はそれしかないな…」
シードラも言う
メアリはみんなにあれを渡す
「しかもオレがいるし、何か分かるは…ぐばぁ!!」
アクアは火を吐いた
―「私たちは何をする?」
シードラはティアズに言った
しかし、アクアが答えた
「しらみ潰しに一軒一軒まわって、何かあったら呼んでくれ…ティアズは恋人の家行ったら?」
赤髪を撫でながらアクアは言った
「オレだったら他人が部屋に来るのは嫌だけど、彼女ならいいもん」
ヴェルの部屋はきれいに片付いており、机の上に書きかけの日記があった
ティアズは、気になる日を見た
10月7日
今日で、ティアズに告白されて二年目なりました、ティアズと一緒に隣の村に遊びに行き、プレゼントを…
2月1日
ティアズは武道の大人の大会で7年連続優勝!ティアズはすごいわ!ティアズは私に賞品をくれま…
8月15日
今日の私の誕生日!私の方がティアズより1ヶ月間、四歳上です!1ヶ月後ティアズは18になるね…ティアズは私に告白してくれた…だからその日…
「なんだ…オレと同じ考えか…」
ティアズは笑っているような泣いているような顔をした
結婚を言う