時々思う。自分は何のために生きているのだろう。
青空の下、土手に寝そべり、空を見上げて、そう思う。いつからだろ、こんな思いになるのは。
そう、あの時からかも…。
20年前…。
晶『ひろの…。』
ひろの『ん!どうした』
晶『愛してるよ』
ひろの『何言ってるの』
と、照れながら微笑んだ。
当時、今でもそうだけど、男の口から『愛してる』と言う言葉は、口が裂けても言えない。だけど、俺は本当に彼女を心の底から愛していた。また、彼女もその事を受け止めてくれていた。
晶『今度の日曜、どっか出かけようか』
ひろの『うん。いいけど、晶は大丈夫なの』
晶『何が』
ひろの『草野球の試合があるんじゃないの』
晶『入っていたら言わないし、誘わないよ』
当時、俺は草野球のチームの監督をしていた。今でもだが…。
ひろの『だったら、ディズニーランドに行きたいなあ』
晶『わかった。行こう』
そういった会話を、朝日がこもれる、彼女の部屋で、言葉を交わした。