美佳の思い
「ほんとは…行くの迷ってたんだ…」
「え…?って、どこに行くワケ?」
「あたしの…彼氏が入院してる病院…」
「その彼氏って…神崎大地…?」
「そう…」
神崎大地 カンザキ ダイチ
小学校の時、一緒のクラスで美佳が片思いしていた。
そして四年生の時、美佳が大地に告白して、付き合うことになった。
でも五年生になって、美佳が転校してしまい六年の秋、大地は学校に来なくなった。
「転校したくなかったのに…大地と一緒に居たかった…」
「…そっか」
ガチャン…
「ここ、だよ」
302 神崎大地
ガラッ…
「大地…」
「おー♪美佳!!あれ…未夏!?」
「久しぶりやね、元気しとった?」
「あったり前♪」
「大地、病気…どうなん??」
「…分かんね」
「なんとかせえへんと、悪化するばかりよ?」
「んなこと言ったって、しょうがないさぁ」
「体には気をつけへんといかんよ?」
「分かってるさぁ…」
「まぁまぁ、美佳も落ち着かんか、ねぇ?」