「ねぇ〜ちょっと時間ヤバイしさっ、早く帰ろう」
ひとり取り残されたアリスが、私とアニーを引っ張って言う。
「あと、そこの男の子たちも、早く帰らないと」
男の子…カイってコとリーブってコと、…あと、もう一人は、名前を知らない。
とにかく、その三人が顔をあげて、アリスを見た。アリスは、よいしょ、ともうほうきにまたがっている。
アニーは長いため息をついて、くされ縁、くされ縁としきりにつぶやく。
私はアニーの背中をとん、と叩いて、
「そうだよね、見つかったら大変だし、早めに帰ろうよ」
アリスのように、ピピにまたがった。
アリスは、もう飛んでいた。あと、名前のわからない男の子も、もう飛んでいる。
「早くっ！いこっ」
こうして、私と、アニーと、アリスと、それから男の子３人は、自然に打ち解けて、仲良く帰っていった。
ひとりの男の子は、名前がわからないままだったけれど。
学校が始まるまでの一週間、私たち６人は、ときどき寮を抜け出して、空中散歩を楽しんだ。
その時間は、楽しくて、笑いが絶えなくて、
ああ、私はいま、青春の中にいるんだな、なんて、しみじみ感じたりした。
☆空中散歩編終わり☆
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