「パッカ、パッカパッカ」
豊「あ、馬だ。」
馬が突然北口方面から現れた。駅構内を颯爽と駆けている。その光景を見た豊は思わず叫んだ。
豊「さむそおぉーん!」
馬「ひひーん」
馬は豊の目の前で急激に進路を左に変えると、改札を通ってそのまま真っすぐ中央線のホームへ向かって走り去っていった。
豊「ん?なぜ改札を通れたんだ?」
不思議がる豊の前にさっきの見た目ヤンキーの女が現れた。
純子「あんたの眼はふし穴かい?あの馬が左にコーナリングしたあと、手前を右に替えたのが分からなかった?」
豊「それは分かったけれど、だから何なんですか?」
純子「右前脚にSuicaが貼り付けてあったのよ。」
豊「あー、なるほどね!」