そして、春。
私とリョウは高3。
智は…学校をやめていた
ある日、親友の舞との話しの中で、
『由美!智この間市民病院にいたよ!』
『…それで?』
『名前呼んだら走ってエレベーター乗っちゃった。』
『舞は智に嫌われてたもんね。』
おとなしめな智に舞はどうも合わない。
『今から行かない?』
『いやいや〜いないでしょ?』
『毎日午後5時に来るよ。』
ここらは舞の得意分野。
『でも今日デートなんだよねぇ〜』
『そっかー。じゃあまた今度だね。』
校門から出ると、いつもの明るいリョウがいた。
『遅ぇよ、ボケ』
『ボケいらないよ。』
『じゃあ、行くかぁ!』
歩きながら、舞の話をした。
『なんかさぁ、舞が智見たからそこ行こうって言うんだけどさ…』
『いいじゃん!オレも行きたいなぁ。』
リョウと智は中学で同じクラスだったから仲が良い。
『じゃあ明日、舞と行こっか?』
『場所は?』
『市民病院だって。』
リョウの顔が固まった。