北の魔界の人形たちの城…
魔王スペルダーの娘ダーヤンが人形たちと遊んでいた。
「キャハハハハ!」
「ダーヤンサマァ!」
「ダッコ! ダッコ!」
人形たちはダーヤンとの楽しいひとときに心をはずませている。
「さて」
ダーヤンが帰る時間となった。
「モット、アソビタイ」
「カエラナイデ!」
駄々をこねる人形たち。
いつまでも長居は出来ないから、ダーヤンは城の管理人サラに託して帰って行った。
ダーヤンが帰った後、サラは人形たちを見て捨て台詞を吐いた。
「フン! 食べる事と、遊ぶ事しか、脳が無い人形のガキどもだね!」
無邪気に遊んでいる人形たち。
日頃のストレス発散をと、サラは…
良からぬ事を考える。
食事タイムだ。
ミニチュアのテーブルに着いた人形たちは…
フォークで皿をカチャカチャ叩きながら、食べ物を催促する。
今日は、魔界の一角獣グリッターの丸焼き。
ナイフで各皿に切って分けて行く。
肉が全ての皿に行き渡ると…
「お食べ」
サラの号令で、人形たちは肉にかぶりついた。
バクバクバクバク!
あっという間に肉を平らげた人形たち。
「行儀の悪い人形たちだネェ。姿形は…
人間で言えば15〜16歳の女の子なのに、幼稚園児以下の精神年齢だよ」
苦笑するサラ。
「オニク、タベタイ」
キディがおかわりを催促する。
「何ィ、言ってるんだいキディ? 一杯食べたじゃないか」
「オカワリ、オカワリ」
「お前が一番、食いしん坊だね?」
「オカワリ」
「ダメダメ、もう無いんだよ」
「オカワリ」
「無いんだよ!」
「オカワリ!」
すると…
「キディ、クイシンボウ」
「アマッタレッコ」
「クイシンボウ」
周りの人形たちがキディを冷やかす。
キディは気にする事もなく、おかわりを催促する。
サラはキディを無視して、後片付けに入る。
他の人形たちも、後片付けを始めた。