死のう……。
世の中にあるいくつもの悲しみは、僕には関係ない。
僕は 今 悲しいんだ。
僕は 僕で とても つらいんだ。
もう 生きていけない。
だから 死ぬ。
もう 終わりたい。
もう 生きたくない。
最後の欲求は、「死」だ。
これだけは、後悔のしようがない 欲望だ。
一度きり。
悔やむことも 満たされることも 余韻に浸ることもできない。
「死」
人生の一大イベントは、 とても暗く、静かで、虚しい。
ろうそくの灯が、揺れている。
死というのは、この炎が消えることではなく、ほんの少しも 揺れ動く事が無い、 無の状態のことを言うのではないだろうか…。
「あと三時間……。」